家建てます!ブログ

滋賀県で高気密、高断熱の家を建てる記録。

コメント頂きました「妻に高気密を理解してもらうには」

今回の記事はオットが書いています。


前回の記事についてチリさんよりこんなコメントを頂きました。


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>ぶたさん、こんにちは。お初のコメント失礼します。


>ぶたさんは断熱気密の重要性・必要性をきちんと認識するためには、
>体験することが大事、と仰いますが、それでもわからない場合は
>どうすれば良いと思われますか?


>例えば私の妻は、家族共々高い断熱気密のモデルハウスに何度も
>宿泊体験をしましたが、それでも断熱気密の必要性を理解できず、
>いまだに「どうせ家なんて20年もすれば価値がなくなるんだから、
>将来的なことを考えれば住めればそれでいい。
断熱気密が低くても冷暖房を効かせれば快適に住めるのだから」と
>いう考え方をしています。


>このような人にも断熱気密の重要性を認識してもらうために
>どうすれば良いか、私は日々頭を悩ませています。


>何かアドバイスあればありがたいと思います。よろしくお願いします。
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高気密の布教はなかなか理解を得られません(笑) 
私(オット)を含め、男性はスペックに夢中になりやすく、女性はあまり興味を示さない、という傾向があるのでは、と施主ブログを拝見して思います。


まず、コメントを拝見して思ったのが
「チリさんの奥さまが重要視している事ってなんだろう」
ということでしょうか。
減価償却的な考えを言われる、という事はコスト感覚、経済感覚に優れた方なのではないかと推測します。


お金、という面から考えれば、築年10年ほどの中古住宅を買い、最低限リフォームして築30年ほどで売却するというやり方は、地価が変化しなければ非常に有効であると、私も思います。実際に私もそのように今の家を買い、現在売却しようとしていますから。


しかし、昭和末期の家は「冬寒く夏暑い」 昨日今日など室内で夜33℃を超える(一階でですよ)とか、もうそんな生活には我慢できません。


先日床屋(&美容室)に行ったところ、耳にした話がありまして


床屋嫁「息子が今度新興住宅地に家建てるんだけどー」
   「戸建てって、冬寒いし今なんて二階行けないじゃない!」

おばあさん「わかる! 私も一階で寝てるし!」


まあ、そんな認識ですよね。私も去年までそうだったし。
「高気密・高断熱」と言う考えはまだまだ一般的ではなく、一般的ではないという事は、普通の住宅よりも、余分にコストがかかっているように見えるでしょう。
もちろんメリットはいくつも言われています。


快適さ 全館冷暖房を簡単に実現し、その上で光熱費は以前よりも安くなる場合がある。
健康  冬のヒートショック防止効果。風邪をひきにくい・アトピーや喘息、ダニの害が減ったという施主の報告がある。
投資  ZEHによる太陽光発電での、およそ年5%以上の回収率  また、今後電気代が上昇した時に、数百万単位の節電が出来るかもしれない(※40年くらいで試算)



ちなみに私も試算してびっくりしたのですが、昭和の家30坪を全館冷暖房するとしたら「Q値2.7(UA値1.8)、C値5~10」くらいの家だと、暖房で月5~12万という数字が出ました。※数字のブレは気密の熱損失が読めなかったためです。


ということから、コメントにありました「冷暖房を利かせれば快適」という奥さんの発言は、あくまでも部分暖房による過去の延長線での快適であって、全館暖房のメリットはやはり伝わっていないのではないかと推測されます。
私の考えですが「暑い時、寒い時にそこに居たくない空間が出来ている、という事はその部屋の代金を無駄に払っているのでは」というものがあります。
チリさんの奥さまは、この考えをどう思われるのか興味があります。



さて話が長くなりました。
結論としては試算は試算。これらすべての試算が絶対、というわけではありません。
それぞれの試算はかならず不確定なものとなります。
将来がどうなるかは誰にも見通せないのですから。


それでも、可能性を考える事は決して無駄にはなりません。
例えばエクセルを使えば、将来の電気代が年2%値上がりした場合の光熱費シミュレーションはそんなに難しくないです。
また、病気になりにくいというメリットは、金銭では表せませんが見逃せないメリットとなるでしょう。
資料を自分で作成し、きちんと視覚化したプレゼンを配偶者に行う事は大事です。



ただし、説得される側が理屈で納得できるなら、という但し書き付きです。



ほとんどの場合、「やだからやだ」 これで終わります。


分からないものは、分かりたくないし、考えたくもない。
だって面倒だもの。 これもまた真理ですよね。


というわけで、理屈が説得できないのであれば、まずは相手の話を聞き倒しましょう。
分からない、知らない。思いつかない。
そういう返事をかいくぐり、時間をかけて相手がしたいこと、考えていることを聞き出すしかないのです。



こんな場所で、こんな感じで、こんなことをしたい。



その簡単なことを聞くのに、おそらくすごく長く大変な時間がかかることと思います。
※というか、家を建てるハウスメーカー、工務店さんが苦労しているのはいつも、この聞き取り部分なのだろうな、と強く思います。


その上で、相手のプランを実施したらどのくらいのお金がかかるのか。
そして自分のプランならいくらくらいになるのか。
土地はどこでいくら。こういうメリットデメリットがある。
広さは何平米で、建坪はこうで。


希望条件の比較対照表を作成するわけです。
同じ項目に、揃っているところと違うところ。
金額の総額がいくら違い、メリットデメリットの数がどのくらい違うのか。


※この時に細かい計算は必要ありません。あくまでざっくり。
どうせ施工する業者さんによって大きく違ってくるのですから。
いちいち業者さんに見積もりを取るなどは時間の無駄と思います。


並べて、共通している部分。強くぶつかっている部分。受け入れられない部分。
文字に起こして、地図に書き込んで、グラフで見て、表にして。
そうやって視覚に入れないと、口頭だけでは理解は進みにくいのではないでしょうか。



ここは一緒だね。
思ったよりかからないんだね。
そんなメリットがあるんだ。
ずっと子供の時からの夢か、譲らないと駄目かな。


こういうお互いの気持ちを、時間をかけて確かめていく作業が欠かせないのかなと思います。



もちろん夫婦間でも力関係はありますから、どちらかが強い要望で「こうするから」と押し通すことは可能でしょう。
「予算は奪い合い」ですから話し合おうとせずに、一方的に決めたから、と進める事は可能です。
しかし、いつか「ずっと我慢してたんだけど」からのクーデター必至。
とてもではないけれど、おすすめは出来ません。



月並みですが、
「相手に理解してもらう前に、まず自分が相手を理解する」
というすごく大変な作業が必要になるかと思います。
その上で、お互いの要望のすり合わせと予算案の譲り合い(※奪い合いではありません)をするのが平和的な解決につながるのではないかと思います。


というわけで、高気密を理解してもらうためには「頑なに高気密をゴリ押さないこと」
こんな感じでいかがでしょうか。参考になれば幸いです。


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ヨメの意見も添えておきます。


我が家の場合。
オットはコダワリの多い人で、超神経質。
もちろん枕が変わったら眠れません。
一方ヨメは結構鈍感。どこでもグーグー。
もう、合わしておいた方が良くね?
って事で、家の事は殆どオットのコダワリポイントを優先しています。
それと、お金の話もあります。
我が家は夫婦別会計なので、夫婦といえど他人様のお金。
家を建てるお金は殆どオットのお金なので、あまり強くは言えません。
(もちろんヨメのコダワリや希望も話し合いの結果採用されています)
外構部分はヨメがお金を出すのでほぼヨメが決めます。
一般的な家庭の事情とはちょっと違うと思います。


お金の管理やコダワリって十人十色。
チリさんのお家でも、その家ならではのルールみたいなものがあると思います。
そこを曲げちゃうと後でシコリが残ってしまうのかも…って思います。
答えにはなってないかもだけど、これから長く住むお家でよりよい人生が送れますように♡

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