55話 鬼が出る!?
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いままでのあらすじ。
2019年11月。
オットが突然引っ越しだ!と宣言。
大阪ど真ん中からのんびり田舎暮らしへ。
オット両親、ヨメの4人の2世帯2軒で滋賀南部へ移住計画。
両親はひと足先に移住完了。
その近くに土地を買い、フィックスホームに家を建ててもらう事に。
だんだんと家の形になってきた。
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着工日から78日。
前回の階段とフローリングが出来たお話【54話】の続きです。
1Fでオットとヨメ2人で座り込んで暮らしについて話してました。
ここは猫がくつろいでくれそうなスペース。
ここはオットが景色見ながらコーヒー飲むスペース。
そこからあっちにいるヨメをオットが眺めるスペース。
あれ?ここは?
階段下って閉じるんだっけ?
【ヨメ】でも収納力ありそうよね~。
まだ骨組みのみの階段下のスペースを熱く見つめるヨメ。
オットはそういう暗くなりそうな場所は怖くて嫌だって言ってたよなぁ…。
風水で言うところの「鬼が出るところ」
【ヨメ】ね、ね、扉付けなかったら鬼出ないんじゃない?
【オット】うう~ん、そうかも…。
ヨメはウッドデッキにテーブルや椅子、キャンプ道具を出したいと思っている。
でも、仕舞うのはこのままいけば2Fのクローゼット…。
我が家は収納スペースが少なめなんだよね。
【ヨメ】ここに折り畳みのテーブルとかあれやこれを置きたい!
【オット】うう~ん…。
【ヨメ】ウッドデッキに出しやすいし、扉無かったら鬼出ません! はい決定!
【オット】ま、しゃーないか。
でも、勝手に仕様変更決めちゃっていいのかな?
棟梁と現場監督の稲田さんにも聞かないと。
もしも、聞いてみて「今さら無理です!」って言われたら諦めよう。
棟梁は「大丈夫やで~」って言ってくれた。
帰ってから稲田さんにメールしてみたらOKが出た。
よかった~!
収納力のない我が家にひとつ収納が増えた~。
こういう時、足しげく現場に通っていると気づく箇所ってあるんだなぁ、と思う。
もちろん大きな変更は出来ないけど、棟梁と話しやすい関係である事や、進捗をきちんと把握できてる事とかが、言える事と今さら言えない事の違いが分かったりするのかなって思う。
稲田さんは自分よりも年上の棟梁の事を「○○ちゃん」と下の名前の愛称で呼ぶ。
聞くと「もう長い付き合いなので」と教えてくれた。
決してエラぶって呼んでいるわけではない。
ごく自然に仲の良い親戚のオッチャンを呼ぶように「○○ちゃん」と呼んでいる。
フィックスホームは業者さんを大切にする会社だと聞いていた。
棟梁と稲田さんは長い時間をかけていい関係を築いて来られたのだろう。
そんな一面を見て、ほっこりした。
オットが引っ越し宣言した日、
はじまりの日より10か月と22日。