【オット小話】賃貸と戸建てを比較する風潮について 1
家を買うのがいいのか、賃貸で借りるのがいいのか。
ネットではよく見るテーマですよね。
前に「お金の面で得する」のはどちらか、という観点から記事を書きました。
ただ、家というのはいろんな側面があって、理解するときに議論がぶれやすいように感じます。
ぱっと思いつく論点を書いていきます。
賃貸派の重視するところ
・利便性
都会の中心にあって、仕事場やいろんな場所にアクセスしやすいか
・転居の容易さ
転勤ってなったとき、すぐに引き払えるか
・月の支払額
支払い額を収入に合わせて切り替えられるか
まだ自分が若いうち、さらに言うと仕事がどうなるかわからない時点では、今後どうなるか読めませんから、切り替えが簡単な賃貸のほうが魅力的だと思います。
持ち家・マンション派の言い分
・設備の豪華さ
賃貸マンションと比較すると、壁が厚くなり、調度品も豪華になる傾向があるでしょう。
ほかの利点は賃貸派と同じです。
都市の中心に「手ごろな価格」で「転売しやすい」物件が手に入れやすいという点で、戸建てよりも有利ではないかと。
持ち家・戸建て派の言い分
・自由設計ができる
流行であろうが、堅実であろうが、好みでカスタマイズ
・隣家との空間がある
隣人と物理的に離れますから、物音や通行などでプライバシーを重視できる。
・駐車場や庭が持てる
マンションタイプでは庭は持てません。
カスタマイズできる分、特殊性が高くなり費用も増します。
自分好みにできる分、転売時に安くしか売れないかもしれません。
持ち家・戸建て建売派の言い分
・戸建て自由設計よりも安く
・利便性が高い場所
・設計無難なので転売しやすい
やや賃貸・マンション寄りの考えですね。
問題は、これらの意見は「今の時代の分析」で
「将来の分析ではない」ところなんですね。
30年後(2050年)を考える
日本の人口が今後どうなっていくかを考える時、「人口動態」というキーワードが重要です。
総務省発表の資料です。
2050年の国土に係る状況変化
こちらの資料によりますと
総人口 2021年7月推計12536万人 → 10192万人 ※約2割減
総人口は2300万人減り、労働人口は2400万人減ります。
高齢者は逆に3800万人となり、今よりも500万人増えます。
未来の話なので確定ではないです。
政府はこのように予想している、ということです。
高齢者は賃貸に住めるの?
2050年、今35歳の人は、65歳になります。
現在働いていれば賃貸は簡単に借りれますから、気にもしないでしょう。
しかし2021年現在の高齢者は、なかなか厳しい状況にあります。
保証人がいない。年金もそんなにない。近くに親族が住んでいない。
こうなると、民間はなかなか家を貸そうとはしません。
そこで政府が支援しているのです。
UR都市機構
保証人がなくても、定収入がなくても
「一定の貯金があれば」※ここ重要
部屋を借りやすいのです。
ただ、これも「現時点では」の話であり、将来はわかりません。
URの主戦力であるところの「団地リノベーション」は多くが1960年~1980年代に建てられています。
2050年には築年70~90年となりますが、さて、これはどうなるのでしょうか。
・再建築→コスト的に見てまずしない。
・耐震問題 今後、耐震基準が上がるときに設計の古さが問題にならないか。
民間であっても同じです。現在築年が30年を超える建物は、30年後には築60年。
その時の政府はそれを良しとするのか。今のところわかりません。
しかし一つ言えるのは「労働者が減る以上、賃貸物件が減っていく」
これは確実です。
大家は儲かるのからするのであって、赤字になるならする意味がないからですね。
今後人口が減るから、賃貸は余っていく
↓
だから家賃はきっと安くなるんだよ!
こういう話もありますが、たぶん短い間だけですぐに是正されてもどり、やがては前よりも高くなるかもしれない。
これが私の予測です。
確たる根拠はありませんが、次回その理由を書きたいと思います。