家建てます!ブログ

滋賀県で高気密、高断熱の家を建てる記録。

【オット小話】 施主として考えたこと ⑩ 日射取得 地域の特性

前回で日射取得の理論値は出ました。
表にしたものがこちら。
グラフも再掲します。






東西の窓からは、一日当たり10~2月で1,000~1,500W/㎡ (day)
3月~9月で2,500W/㎡ (day)強
冬以外の季節で、これをどう避けるかが重要です。


南からは9月~3月で4,000W/㎡ (day)ほどの熱が期待できそうですね。


この数字は今回大阪市の中心で計算していますが、緯度、経度が多少変わってもグラフの形は似たような形になるかと思われます。


再度繰り返しますが、この数字は天気が快晴で、乱反射がない状態での理論値の数字です。ここから割引かれる条件として考えられるのは、次の通りとなります。



■地域の特性を考える


気象庁で確認できるもの


1.天気の条件差 地域によって、曇天、雨、雪、雷などが多い地域があります。
2.地形の条件 山間部は日照時間が短くなる傾向にあります.



「過去の気象データ検索」を選ぶことで、見たい地域の日照時間、全天日射量の平均時間を調べることができます。
2019年の大阪は次のようになっていました。




まずは理論値と、実測値の違いを見てみましょう。
太陽が出ている時間、つまり日の入りから日の出までの時間に30.4日(365日の12等分)を掛け算すると、理論上の日照時間が出ます。誤差は例によって無視します(いいのか)

大阪のデータです。月ごとにややばらつきがありますが、概ね50%程度と見なすことができそうです。



それでは、全天日射量はどうでしょうか。


※10/26 ソース補足のため以下にグラフ・文を追加しました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ここから追加


前回までに計算で出した、月ごとの全天日射の理論推移グラフを掲載します。
15分ごとに計算を行い、その数値をつないだグラフとなっています。
この数値を足し合わせて、一日の全天日射(W/㎡・day)の数字を出しています。
こちらの数字は障害物のない、平面で受ける日射量のイメージです。
元データ表はさすがに煩雑なため、割愛します。ご了承ください。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ここまで追加


※注意 全天日射量は、大都市の地点(東京・大阪)で確認できましたが、地方都市はデータがないようです。日照時間(年単位)が頼りになるかと思います。


気象庁の日射量はMJ/㎡(メガジュール)で書かれていますので、W/㎡に換算する必要があります。



単位メガは100万なので10の6乗。そしてジュールは秒単位なので1日単位の場合は84000秒で割るという流れになります。



式 7.8MJ/m2(1日)をW/m2(1時間)に変換する


MJ/㎡=7.8×1000000(M換算)÷ 84000(秒) = 2166W/m2(1日)
2166W÷24(時間)=90W/㎡(1時間)


とまあ、こんな感じになるようです。
表にするとこんな感じに。



数字が小さいですね。
理由を推測してみます。


天気によって、日照時間が短くなる 
先ほど表に出しましたが、日照時間の実測値は45-50%。ということで、理論値は半分の50%に見るべきである。


ということで、各月の日照時間の割合を理論値に掛けてみましょう。



おおお、いい感じじゃないですか、これ。


予想日射量が、私の考える理論値。
実測値が気象庁の値。
最大で誤差が26.9%となっていますけど、素人が考える参考値としてはまずまず使えるものになったのではないでしょうか。


日射量の算出の流れはこうなりそうです。


1.知りたい季節の窓に入る、光の量(理論値)を計算する。
2.時間ごとに数値を出し、一日で入る量を合計する。
3.気象庁の出す、月ごとの日照時間平均値を掛ける
4.月ごとの、窓の日射量の値がわかる。


どうでしょうか! 
これで気象庁の全天日射量がわからなくても、窓から入り込むW/㎡が(なんとなく)イメージできるというものです。



■専門家はどうやって算出するのだろう
ということで論文をいくつか読みました。






いやいや文系には流石に無理ですってこれ!

頭がパンクしそうになったので撤退です。

ということで、ここでギブアップ。

あとはもっとマニアな方に任せて、私は次のように考えることにしました。


1.日射取得の理論値は最高700W/㎡程度なので、

快晴時には8掛けの560W/㎡

曇り時には2掛けの140W/㎡

日射取得できると考える。  


2.大阪の日照時間が年2000時間なので、
建築予定地の推定日照時間を算出し
割合で1日の取得熱として計算する。


3.滋賀県の冬の日照を推測する。
(※滋賀県は全天日射のデータがありません)


自分の家の場所のデータを考えます。
気象庁では、滋賀県西部の参考になりそうな場所は3か所ありました。
今津、南小松、大津。この3か所の5年分のデータを抽出します。
2015年から2019年の数値の平均は次のようになりました。

冬の予想日照時間は64%でしたので、


快晴時に560×64% = 358W/㎡
曇りで140×64%  = 89W/㎡


ピーク時の一時間当たりの数値はこちらを使い、一日の窓の取得エネルギーは、月ごとの各方角の窓理論値に64%を掛けた数値を使う感じでしょうか。


滋賀県湖西の冬場は、これくらいに見ておけばいいのかな、と思います。



以上根拠は頼りないですが、一通り考えたのでまあ満足、良しとします。


次回は、家を建てる場所の日照を考えます。

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