家建てます!ブログ

滋賀県で高気密、高断熱の家を建てる記録。

【オット小話】電気料金の分析ツール 作りました。

皆さんも、データを集めて計算してみるのはどうでしょうか。

案外面白いものですよ。

積算温度の電気代分析、流行るといいなあ。


前回のブログでこう書きましたが、こんな面倒なことするのってマニアだけやん。
とはいえ、私もいろんな人の電気代が見てみたい。
ただ、何月に幾らっていうだけではなく一歩分析を進めると、そして全国でデータが揃いだすと多分面白いと思うんですね。(やはりマニアなのでは)


さて、「言い出しっぺの法則」ってありますね。
思えばいろんなツールをネットで使わせてもらいました。
そろそろ、私もその恩恵に報いるときが来たのかもしれません。


ということで、頑張って作りました。
エクセルベースの電気料金分析ツール、こちらからダウンロードできます。




■ぶたさん式電気代計算シート




リンクをクリックすると、Dropboxからダウンロードできると思います。




作製したエクセルのバージョンは2019です。
関数を使っていますので、2013などの古いバージョンだとエラーが出るかもしれません。
パスワード等はかけていませんが、入力ミス防止のために一部のシートをロックしています。


使い方はそんなに難しくないと思います。
お使いの電力会社のホームページなどから、電気量のデータを1年分ダウンロード。
あとは必要な部分を、コピーペーストするだけ。
グラフが途切れても大丈夫なら、短い期間でも利用は可能です。



■使い方


実際にクリックして見るタブは次の4つです。


1.諸条件入力

2.電力入力

3.計算結果

4.電力データサンプル ※参考用


ダウンロードしたファイルを開くと、次のような画面になると思います。



ならない場合は、下の「諸条件入力」タブをクリックです。






まずは空調についてデータを入れていきます。



上から冷房、暖房の設定温度です。
設定している温度を入れましょう。厳密に考えるのではなく、ふわっと位で大丈夫です。


次に冷暖房をかけている部屋を思い出して、広さを入力してください。
時々かけるけど、いつもじゃない、という部屋は適当に広さを半分にしたり1/3にしたりして入力するといいと思います。
気持ち優先で、適当な数字で大丈夫です。


部屋を入れる欄が足りない場合は「その他の部屋合計」のところに、部屋の合計の広さを足して入れてください。


また、全館冷房、全館暖房をしている場合は「0を1」に書き換えます。



■その他のデータ


右側には、このような画面がでています。





家の広さと階数を入力します。


家の形が「立方体か直方体の総2階」などのお家で、幅・奥行きがきちんとデータで分かる場合は、幅・奥行きをメートルで入れてください。


家の形が多少違ったり、細かい数字がわからない場合は、平米、または坪で家の広さを入力します。
どれもわからない、という場合はすべての入力欄を0にすると30坪の総2階で計算をします。



その下には、もう少し細かいデータを入れる場所があります。




階高はおおむね3メートル前後かと思われますが、必要に応じて修整してください。
屋根勾配は外皮面積の計算に使用します。屋根断熱の場合、外皮面積がやや変わります。
天井断熱、屋根断熱は外皮面積の計算用に使います。
屋根断熱は屋根の面積が若干広く計算されますので、実態に合わせて数字を入れると計算が正確に近づきます。


家のUA値は、実際の数値を入れることで推定される貫流熱(外からの暑さ寒さ)と、実際の数値とを比較することができます。
詳しくは後述します。


計算条件は、お好みに合わせて変更してください。



■電力データサンプルのタブについて



このような内容を書いております。
電力入力のタブで必要なのは「月日・電気使用量・最高気温・最低気温・日照時間」の5つとなっています。



■電力入力のタブについて



電力入力のタブをクリックして、データを入力していきましょう。



このような画面になるかと思います。
左側の赤枠に、サンプルテスト用のデータが入っています。
自分のデータを入力される際は、データを消してください。



■データの入力の際の注意点


一月ごとのデータをコピーペーストで移していく際に
・日付の順番は揃えなくても問題ないです。
・2月29日がうまく入らない場合があります。


これは、データ形式が5桁のシリアル形式「44378」=2021年7月1日
ではない場合に起こりました。
2021年2月29日などを指定しますと、存在しない値なのでエラーになるようです。
実際に存在する日付に置き換えて入力してください。


また、同じ月のデータをコピーしてしまったようなミスは、
こちらの画像のエラーチェック欄を見ることでチェックできるようにしています。




■入力について


関西電力のデータを基準に入力欄を作っていますので、他社をご利用の方は、コピーする列を間違いないようご注意ください。



気温や日照時間のデータがない場合は、気象庁でデータ検索をしましょう。
近くの地域のデータを代用するとよいかと思います。




■計算結果表示


データを入れることで、入力したデータの計算をグラフで見ることができます。
「計算結果」のタブをクリックします。





1.日照時間


月ごとの日照時間がグラフ化されます。全国平均は年間1700~1800時間くらい。月に200時間は多い方となります。



2.電気代予測


月頭から月末までの電気代を一律に揃えることで、月ごとのムラを減らしました。
冷房・暖房は消費電力から推測した参考値です。



3.積算気温と1㎡あたり冷暖房費



1日ごとに最高気温と最低気温が20℃から何度離れているかを毎日加算したものを「積算気温」として算出しています。
このグラフではマイナスのものもプラスに統一して、見やすくしています。
温度が大きい数字なほど「冬は寒く、夏は暑い」です。


空調電気代も、空調をしている部屋の広さで割って1㎡当たりに換算しています。
気温の変化と電気代がリンクしているのを視覚的に確認することができるかと思います。




4.熱量の推移



1日ごとに電気代から推測した「部屋の中に入って来る暑さ・寒さ」をグラフ化したのが「夏・冬の貫流熱量」です。


日射による暑さは「日射の影響」として。
電化製品を使うことによる発熱は「内部発熱」の線で表されます。
日射の影響は家の小屋裏にたまる熱をイメージしています。
外部気温・日照・UA値に影響されて変化するような計算にしております。
あの、夏場に屋根や壁から「じわーっと暑い」あの熱ですね。
二階が暑い、っていうのはこの「日射の影響が強い」家で感じられるのだと思います。


この日射の影響には「窓ガラスからの日射取得」は全く計算に含んでいません
屋根と壁に当たる日射の熱取得で小屋裏や通気層が温まるのはどのくらいか、という根拠のない推測値となっています。
窓ガラスの日射取得を含めると、おそらくもっと大きな値になるかもしれません。



5.中心温度と日数分布



積算温度の表記のままだと「積算:-22℃=平均10℃」と混乱のもとになりそうでした。
そこで、一般的な平均気温(1日の最高気温と最低気温の中間)に置き換えました。
その温度帯の日が一年に何日くらいあったのかを分布にしてグラフにしています。
こちらの例のグラフの大阪では1年のうち、冬の寒い4℃の日は2日、34度の暑い日は11日あったことを表しています。



6.温度帯ごとの冷暖房の1㎡あたりの
平均電気代


先ほどの積算温度の分布に従って、その気温ではどのくらいの電気代がかかったのかをグラフにしています。
こちらのグラフでは、外の平均気温が26℃の時に冷房をすると「1㎡当たり約40円」がかかり、同じく平均34度の時には「1㎡あたり90円強」が料金でかかったと推測されました。


単純に月ごとの電気代だけでは高いか安いか判断しにくいです。
温度帯をそろえ、冷暖房を掛けた広さをそろえることで、いろんな場所のデータが比較しやすくなると期待しています。
こちらの数字は、UA値の値とダイレクトに関係しているように思われます。



7.貫流熱予測
(実際の数値と理論上の数値の差)



ここからが少しマニアックなグラフになっていきます。
UA値からの貫流熱予測の線は、最初に入力した


こちらのUA値をもとに計算しています。
広さと外の気温をもとに、この位の熱の入出流があるのでは、という予測です。
色が薄めの赤と青のラインです。


もう一方の濃いグレーと緑のラインは、実際の電気代から逆算した熱の入出流の推測値となっています。日射取得と内部発熱を差し引くことで、この位の熱が出たのではないかという推測値です。


UA値がはっきりわかっているケースで使う想定ではなく、UA値が不明な場合に使用する目的で作っています。
具体的には、私の住んでいた旧宅(昭和のUA値不明の家)の様子を知るためですね。
どちらの値も推測なので、推測値におそらく「かなりのブレ」があります。
正確なものというよりは「この位なのかな」というアバウトな目安としてお使いください。


濃いラインを薄いラインに合わせるように、UA値を上下させると線がだんだん合致してきます。
なんとなく一致したあたりが「実際のUA値に近い」かもしれない、くらいのことを知るために作りました。



8.見かけのUA値(1日単位)



先ほど同様、冷暖房の電気代から逆算した「見かけのUA値」です。
1日ごとにぶれが大きいため、縦軸は対数でのグラフとなっています。
こちらも精度は期待できませんので、あくまでも参考としていただければと思います。
窓ガラスからの日射取得計算は行っていないので、冬のUA値が良く出る傾向があるようです。



9.見かけのUA値(月ごと)



先ほどのグラフでは変化が大きいので、見やすく月ごとの平均として
「見かけのUA値」を出しています。
サンプル例のこのグラフだと「夏はUA値5.0」「冬はUA値1.5」くらいに見えます。
どうしてズレがあるのかは作成者の私にもよくわかっていません。
おそらく日射熱の計算に窓ガラスの日射取得を含めていないからではないかと想像はしているのですが、計算、入力が煩雑になりますから。今後の課題でしょうか。



■あとがき


ノリと勢いで作っていますので、力任せな計算に、よくわからないところはかなり適当な数字で変数作る、想像で補うなど、かなり乱暴なことをしています。
自分でも世に出していいのかなと悩む出来になっています。
見た目なども、まあお察しで恥ずかしい限り。


皆さんから意見など頂けるようなら改造していくかもしれません。
※バグ報告いただけたら修正は随時行いたいかと。


また、ブログなどで「試してみた」報告などいただけると嬉しいです。
気が向いたらコメントなどでお知らせいただければ幸いです。

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