【オット小話】空調の電気料金を分析してみよう その2
前回で月ごとの電気料金は見えてきましたので、今回は気温と電気料金の関係に注目していきたいと思います。
おさらいですが、積算温度の求め方は
(最高気温-20)+(最低気温-20)=1日の積算気温としています。
日本の気温が、最高気温42度、最低気温-20度くらいで考えますと、
プラス方向は+35度(最高42度、最低33度)
マイナス方向は-65度(最高-5度、最低-20度)
おおよそ本州であればこの範囲内で収まるかと。
数字がゼロに近いほど、気温が20度付近なので過ごしやすく、数字が大きいほど暑い寒いがはっきりした季節と考えていただければと。
今回のデータでは一日の積算温度がプラス方向には最高38度、最低28度の「+26」
マイナス方向は最高7度、最低-1度の「-34」 以上の範囲で収まっていました。
大阪、やはり暖かいですね。
理屈では日々の温度を積み重ねると、月間ではプラス1000度からマイナス1800度のどこかになるはずですが、さて、どうなるのでしょうか。
月ごとの積算温度、それに日数補正をしたグラフがこのような感じです。
冬と夏ではマイナスとプラスで見づらいので、絶対値に置き換えてグラフにしています。
元の数字では11月から4月の間が積算温度はマイナスとなっています。
積算の温度が大きい、つまり20度から離れるごとに電気代がかかっているのがわかりますね。
思ったより連動していて面白いです。
■夏の冷房と冬の暖房
しかしこのグラフを見ると、冬のほうが積算温度が大きいにもかかわらず、夏の電気代が高くなっています。
この理由は、夏と冬でエアコンを入れる部屋が違うからでしょう。
夏はリビング12畳+キッチンの7畳(開放度60%)+寝室6畳 = 35㎡強
冬はリビング12畳+キッチンの7畳(開放度40%) = 24㎡強
季節ごとに何となくの気分で開放度の数値を入れました。
キッチンは時々開放して冷暖房を入れましたが、どのくらいかわからないので雰囲気で決めています。(いいんですよこれくらいで)
キッチンは熱を出すのは簡単ですが、冷やせないですからね。
また寝室も、布団に入れば我慢できますが、夏はそうはいきません。
ということで、先ほどの空調電気代を、利用した部屋の畳数(㎡)で割って、1㎡あたりの電気代金を出してみました。
適当に数値を入れたのに、グラフがほぼ重なってきました。驚きです。
特に調整とかしてないんですけどね。
冬のほうが積算温度差は大きく、それだけ温度を保つのに電気代がかかっている様子が見えます。
■積算温度帯ごとの電気代
目線を変えて、積算温度を高いほうから低いほうまで、どのような分布になっているかを見てみましょう。
5度刻みで、中心の温度を表記しています。
-32.5℃の刻みは-35~-30度までに入る日を入れています。
割と満遍なくいろんな温度の日があるんだなあ、という印象ですね。
平均気温20度前後の春と秋は-2.5~2.5あたりでしょうか。
年間合わせて40日。気持ちいい期間って短いんですね。
さて、マイナスの積算温度、と言ってもわかりにくいですよね。
あくまでイメージなんですが、こんな感じかな、と想像しました。
式にするなら「20℃+(積算温度÷2)」
積算温度-42.5℃なら、夜には水道が凍ります。
逆に27.5℃なら、熱帯夜で全然眠れない感じでしょうか。
それでは、区分ごとに属する電気代の平均を青グラフ、さらに部屋の広さで補正した電気料金を橙グラフで表したものがこちら。
真ん中は、春と秋。
左は冬、右は夏です。
両端の数値を見てみますと、オレンジ色の傾斜がどちらも急になっているのが見て取れます。これはCOPの悪化を表しているのではないかと想像します。
ですが、データが数件と少ないのであくまでも「疑われるレベル」かなと。
このグラフからわかることは何か。
・気温差と電気料金は、ほぼ一致する。
・旧宅で全館冷暖房にすると、105㎡を掛けて
電気代予測は、冬に最大31,500円になる(白目)
全館空調について以前記事を書きました。
以前、8月暑い盛りに旧宅で全館空調をしました。
調べたところ、その日の電気W数は26KW。
電気代換算は、驚きの1日728円でした。
先月が¥13000/月だったので、全館空調を一か月続けたら¥20000/月くらいになるかな(あくまで予想だけど)
ヨメがこんなことを書いていましたが、残念!!
暑さ次第ですが、30掛けで夏は24000円(税込)。
昭和の家には荷が重すぎでしたか。
■旧宅のUA値を推測する
遊びついでに、部屋がリビング・キッチンと寝室だけなのですが、乱暴にもここからUA値を推測してみたいと思います。
床面積を52.5㎡、階高3mとして計算します。屋根は面積1.15倍くらいでしょうか。
家の形は変形でしたが、簡略計算として、長さは7.2m×7.3mの長方形とします。
床52.5㎡、屋根52.5×1.15=60.4㎡ 東西壁43.2㎡二面、南北壁43.8㎡。
合計で表面積286.9㎡ですね。
冬の平均気温を4度とすると、Kは16度。
24.3㎡で、エアコンが一日に12.5KW電気を必要とした場合で計算します。
105㎡(家全体)を温める場合、電気は105÷24.3=4.32倍必要
12.5KW×4.32(倍)=54KW
エアコンCOPが4とすると、逃げた熱量は54×4=216KW
一時間あたりに直して、216KW÷24(時間)=216000÷24=9000W
Kが16なので16で割ります。
9000÷16=562.5
表面積286.9㎡ですから、562.5÷286.9=1.96
ということで、旧宅の推測UA値は1.96でした!!
断熱材、どこ?
次回は、新居のデータで同じように積算温度と電気代の計算をしたいと思います。