家建てます!ブログ

滋賀県で高気密、高断熱の家を建てる記録。

【オット小話】 施主として考えたこと ③  UA値計算

■UA値を計算する


滋賀県の地域区分は5~6ですが、私が住む地域は山手、雪が降ると聞いています。
京都の天気も知っているのですが、山間部はとにかく寒いです。
山が西側にあるということは、日が沈むのも早い。
そして山の天気は変わりやすいので、冬場の日照も期待しないほうがいい。


このあたり、北陸の鉛色の雲、雨、または雪が続くくらいの気持ちでいるほうが
心の平安は得られそうです。住んでみないとわかりませんが。
ということは冬の日射取得は期待しない、となると、地域区分で5と4の間くらいでいると、暖かく過ごせるのではないかと想定しました。


平成25年省エネ基準でUA値0.75-0.8程度
HEAT20 G1で0.46-0.48 

G2なら0.34


UA値0.2を切るような超高断熱は、私の予算では到底無理。
ということで狙ったのは0.35~0.45のどこか。
この辺が落としどころと当初思っていたわけです。


「UA値 計算」などのキーワードで計算するといろんな参考になるサイトが出てきます。
その中からふたつ、紹介します。


以前紹介した「さとるパパの住宅論」さんの「Q値とUA値をざっくり計算するツール Ver.2.0」という記事はありがたく参考にさせて頂きました。





「家は、空調。」24時間全館冷房(除湿)by 一条工務店 
管理人フエッピーさんのサイト




こちらでダウンロードできる(※2020年9月現在)
F式 Q値UA値ηA値計算シートⓇ
が素晴らしい出来です。




ある程度専門知識を要求されますが、自分でUA値を出したいって思う人は当然これくらいの知識と根気は持っているはずなので(暴論)楽しめること請け合いです。


このあたりの計算を使って、断熱材を変更したり、厚みを変えたりすることで
「いくらオプションで断熱材につぎこめば」
「どのくらいのUA値を得られるか」

が皮膚感覚で分かってくるかと思います。


例えばUA値の費用対効果が悪いのはグラスウールの重さを変更した場合。
(※メリットは他にもちろんたくさんあります)
10kg→16kg→24kgと、だいたい重さに正比例して定価が上がるのですが
性能値は「0.045→0.038→0.035」と?と向上の上がり幅に首を傾げたり。
よっしゃ厚み2倍で最強と思って設計士さんに見積もりを聞いたら「木工事で大体このくらい(車の値段)ですね」と言われて凹んだりと。


このあたりは自分で計算することの醍醐味ではないかと思います。
ああ、どう説明しても断熱オタク話にしか聞こえないのは何故!?




■UA値を小さくするには
1.窓の開口部を小さく設計する。
2.断熱材の熱貫流率(W/m2K)の小さな断熱材を使う。

(壁内断熱の幅は105㎜/120㎜/140㎜が一般的で、これ以上増やせない)
3.外張り断熱を採用する。
4.天井、床断熱を分厚くする。
5.おっと忘れてはいけません。窓と玄関に重課金ですね。


施主ができることはオプションを選択する、これにつきます。
というか、それ以外のことは出来ないですね。


断熱材は、住宅会社によって選べるものが決まっています。
この断熱材を使いたいから、この会社を選ぶぜ、という選択の仕方は個人的にはお勧めしませんが、どうしても避けたい断熱材があるのならそれも一つの考えかなと思います。


窓を小さくすれば、どうしても日中暗くなります。
熱貫流率の小さな断熱材は、恐ろしい勢いで値段が上がります。
外張り断熱も、どん。と値段が乗ります。
天井は比較的安価に断熱を増やせますが、床も100mmまで位の制限があると思います。


断熱は、はっきり言って高い買い物です。
1.0を0.7に下げるのは、50万くらいで行けるかと思います。
0.7から0.4にしようとすると150万。
0.5を0.2にするなら500万以上。
※イメージです。適当な見積もりなので信用しないで下さいね。


同じ0.3下げるのに何で違うんだ、って思いません?
どこの0.3でも、電気料金は同じだけしか下がらないのに不思議ですね。


ネタバレするなら、変化率に注意なんです。
1.0→0.7は、1÷0.7で143%。4割追加です。
0.7→0.4は、0.7÷0.4で175%。7割5分追加。
同じように   0.5÷0.2は250%。1.5倍追加。


※具体例で表記してみましょう。
1.0→0.7 断熱材50mmを1.43倍すると72mmです。
0.7→0.4 断熱材80mmを1.75倍すると140mm
0.5→0.2 断熱材100mmを2.5倍すると250mm



さらに窓。0.7なら窓や玄関は熱貫入率2前後で問題なし。
0.4なら熱貫入率1.3以下を勧められ。
0.2なら熱貫入率0.8とか0.7台とかを検討することになります。
興味ある方はご自分で価格の違いを比較してみましょう。


これだけ断熱材を増やさないといけないんです。
増やすとなると、断熱材を収めるスペースが必要になり、その分の木工事日数と手間賃、材料費がどんどん重なってくるわけです。


温かい方がいい、って言われても、寒くなるよって脅されても、住んでみるまで分からないです。感覚は人によって違いますから。
また、今後の気候や季節、気象変化は誰にも分からない。そんな危ういところがあります。


「念のために」というには難しい、本気で悩む見積もりが出てくると思います。
悔いのない選択を。そう願ってやみません。


一方注意していただきたいのは、UA値を下げる理由です。
「温かく、快適な生活をするため」が目的ではないでしょうか。


予算が少なければ温暖地で0.7、多少余裕があれば0.5
寒冷地はここから-0.1したくらいのUA値で、まずまず満足した温かさは得られるかと思います。


電気代と断熱材の価格バランス(いわゆるコスパ)がいいのも多分このあたり。
これ以上のUA値は、
快適さと健康という「やや趣味性の高い分野」ではないかと。


快適は大事です。
行き過ぎて、ローンを積みすぎれば生活自体が成り立たなくなります。
今しかない、という焦りにとらわれ過ぎると危険です。
ここはしつこいくらいに強調したいところです。


※わかりにくいところを一部訂正しました。

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