【オット小話】 施主として考えたこと ⑫ 日射取得補足
日射取得、長文書き終わってやれやれと息をついて。
何の気なしに検索掛けたんですよ。思い付きで。
「冬 窓 日射取得 w/m2」
開口部の日射熱取得性能及び断熱性能の評価方法に関する調査
調査の面々を眺めてみれば、大手メーカーがずらり。
窓に付けるカーテンとかの日射遮蔽の性能調査を国の依頼でやってる、ガチの団体さんですね。「ほえー、すっごい」と流し読みしていて、はたと気づく。
https://www.mlit.go.jp/common/000208396.pdf 12ページより引用
赤丸はブログ執筆者の手によるもの
あるじゃん答え。
国際規格 夏季:Is=500/W㎡ 冬季:Is=300/W㎡
日射スペクトル:全天日射
米国 通期:Is=783/W㎡
日射スペクトル:直達日射
日本 夏季:Is=500/W㎡ 冬季:Is=300/W㎡
日射スペクトル:直達日射
ということで、数日間かかったと思われる、私の計算の努力は全くの無駄、以上終了!
自己満足にすぎないんですが、私の作ったグラフはこうでしたから
ピークが700~800W/㎡、通年で500W/㎡。
結論として出したのが
1.日射取得の理論値は最高700W/㎡程度なので、
快晴時には8掛けの560W/㎡、
曇り時には2掛けの140W/㎡が
日射取得できると考える。
ズブの素人がひねり出した数字にしては、まずまずいい線突けたんじゃないかと思います。
続いて検索結果を見ていくと
おなじみの「さとるパパの住宅論」
何度も紹介している大先輩です。
あるじゃん(怒)
冬の南面の窓ガラスに射す日射熱を 0.7 kW/㎡ ※とすると、わが家の南面から取得できる日射熱量 Q は次のようになります。
Q = 0.7 [kW/㎡] x 6.7 [㎡] x 0.40(日射熱取得率)= 1.9 [kW]
引用:日射熱による暖房費節約効果を消費電力と日射量計算から推定する | さとるパパの住宅論
下線はブログ記事執筆者によるもの
※日射量の計算は複雑ですが、東京の冬至における南面の晴天時日射量の計算値(参考 PDF、p.9 の図7)を参考に決めました。
引用:日射熱による暖房費節約効果を消費電力と日射量計算から推定する | さとるパパの住宅論
上記の参考PDFのリンクはこちらです。
http://www.pu-kumamoto.ac.jp/~m-tsuji/kougi.html/ennsyu.html/ennsyu13.html/ennsyu1301.pdf
興味のある方は、ぜひ計算してみてください。
私はげっぷが出たのでもう十分です。
検索のときはキーワードに頭を絞る必要があるってことですね。人生反省ばかりです。
さて強がりにも聞こえますが、自分で計算して考えることは大事です。
無駄に終わったように見えても(怒)
無駄にはなりません。
実は、先ほどの検索キーワードで出てくる、プロの工務店さんのブログがあります。
リンクはあえてしませんが、以下ダイジェストで文脈を紹介します。
冬季の窓からの日射取得を計算するぞ!
私:期待してますよ!
気象庁のデータから全天日射量持ってくるぜ!
自分の市のデータがないから、隣の大都市のデータで代用するよ。
私:やっぱりネタ元は気象庁かー。代用もまあやむなしですね。
12月の数字は、10年分の平均値で2.65kWh/㎡だったよ!
つまり2650Wh/㎡だね。
私:あれ、気象庁のデータはMJ/㎡だよね。一応裏とりしておこう。
8.0MJ/㎡=8.0×10^6÷81600=98.03W/㎡(h)×24時間=2352.9W/㎡(day)←※注目
平均値っていうから、まあ大体あってるのかな?
ガラス毎に係数をかけて、窓に入る熱量を考えるよ。 式はこうな!
窓面の暖房期日射熱取得量mH(W/(W/㎡))=窓面積A×日射熱取得率η×窓の補正係数fH×方位係数νH
私:さすがプロやなー。補正係数掛けると、計算早くていいなー。
これに全天日射量を掛けることで日射取得が計算できるのです!
私:水平と垂直で違うんじゃね? まあ、概算ならしゃーないんかな。
全天日射量の値2,650Wh/㎡と7時間をかけてあげると,一日の窓からの日射取得量が算出できるんだぜ!
私:「」
1.32W/(W/㎡)×2,650Wh/㎡×7hr≒24,480W
ものすごい熱量が窓から得られてますよ!
ね!すごいでしょう!
私:全天日射は1日分だから! それ7日分だから!!
そりゃあものすごいに決まってるわボケ!
だいたいだな、太陽の角度は無いんかい!
サンサンと日光が7時間降り注ぐ窓とかどんな部屋やねん!!
と、まあプロでも間違える()ことはあるんですね。
一つ言えるのは
「儲かりまっせ」と営業のプロが言ってきた時には
「ホンマでっか」と資料片手に電卓を叩いて検算しないと
シロウトはあっさりカモにされるんです。
後で「イヤーすいません、資料間違ってましたわ(棒)」
と言われても、取引は既に終わってるから問題ないんでしょうねきっと。
■太陽光を実測してみる
いろいろ理屈ばかりを書いてきましたが、本来実測値にまさるものってないんですよね。
で、思い出したんですよ。
測定器もってるやんって。
フラッシュメーター、って光の量測る機械なんですけど、家に置いてますやん。
型番は違いますけど(もっと古い)、こんな奴です。
しかも私の持っているものは幸いなことに、白い半球をずらして直進光を測れる。
これで測定してみましょう
測定日の時間から見たところ、太陽の角度は35.5度。
測定したところ、次のような結果が出ました。
直射測定(半球なし):外で測定
平面方向 13.0EV
垂直方向 12.7EV
太陽方向 水平から太陽に向ける
13.0→17.9→19.0→測定外
角度を変えながら測定しました。
微妙な角度の変化で数字が動くので、何とも言い難い結果です。
入射測定(半球あり):外で測定
水平方向 13.0EV
太陽の方向 13.5EV
安定した数字です。勝手な予想ですけど、気象庁の全天日射もきっとこんな半球がついてるんじゃないかと思ったり。
エネルギー量を換算するのに、まずはEV値をルクスに変換します。
7EVが320ルクス、ということらしいので、これに基づいて変換。
EV値が1増えるたびに倍になる変化をします。
12.7EV= 16,635ルクス
13.0EV= 20,480ルクス
13.5EV= 28,963ルクス
17.9EV= 611,473ルクス
19.0EV= 1,310,720ルクス
20.0EV= 2,621,440ルクス ※測定外の参考値
次に、ルクスをW/㎡に変換します。
諸説あるようですが、1ルクス=1.46ミリW/㎡という数字を今回は使ってみることにします。
結果は次の通りとなりました。
12.7EV= 16,635ルクス ≒ 24.2 W/㎡
13.0EV= 20,480ルクス ≒ 29.9 W/㎡
13.5EV= 28,963ルクス ≒ 42.2 W/㎡
17.9EV= 611,473ルクス ≒ 892.7 W/㎡
19.0EV= 1,310,720ルクス ≒ 1,913.6 W/㎡
20.0EV= 2,621,440ルクス ≒ 3,827.3 W/㎡
で、どの数字を見るんだろう。
自分でも「?」です。
フラッシュメーターの作りもわからなければ、太陽光に直接向けて正確な測定ができるかもあやしい、って所があります。
さらに言えばこの変換式もどうなんでしょう。あやうさに満ちています。
ま、こんなん出ましたってことで終了。
オチはありません!
「素人が太陽光を測ってみた」結果、ということで生暖かく見ていただければ幸いです。
以上補足でした!