【オット小話】満足感 プラスとマイナス
建て終わったのに、施主ブログを見るのをやめられないオットです。
さて、今回は「家を建てる時の満足感」について書いてみたいと思います。
私の場合ですと、毎日のように呟いているのがこちら。
「誰~この家作ったん? 天才ちゃう?! あ、俺やったわー」(建てたのは棟梁である)
こんなお馬鹿発言を繰り返していますが、このあたりは人によって違うかと思います。
ある人はデザイン。
ある人はおしゃれな電化製品や家具。
住み心地の良さや、家事導線かもしれませんし、便利な地域や見晴らしなんかでも変わると思います。
今あげたのはプラスの感情の満足感ですね。
ああ、こういう風になって(決めて)良かった!!
もう一つあるのはマイナスの面ですね。
こうじゃなきゃ良かったのに。
こういう風にすればよかった。
不快であるとか、我慢する必要があるとか、時間がかかるといった不便はマイナス面になるかと思います。
■先人の知恵は偉大です
幸いなことに現状私は失敗したな、ということは先人の皆様の体験談、すなわち施主ブログを読み漁ることでずいぶん回避させていただけました。感謝しています。
例えば、
基礎の継打ちは一発打ちがメリット大きい。
難しいなら他の対策として「止水プレート」を入れておくといいぞ。防蟻・浸水対策な。
とか。
あと、笑った(そして慌てて確認した)のが
既存の電気メーターボックスが絶望的にダサい件
気にならない人は気にもしないんでしょうが(例:我が家のヨメ)、メーターボックスのデザインなんて、ほとんどの人は気にもしたことがないと思います。
我が家にも一つちょっとした気になる部分があります。
二階トイレを流すと、水音がゴポゴポ鳴る。
引き渡し時にこんなもんかな、と思ってたのですが、夜中流すと結構響くので気になって調べてみました。
検索して分かったのが「ドルゴ通気弁」というものがあり、二階、三階の高低差がある配管につけると音が静かになるみたいです。
ひょっとして我が家には付いてないのかもしれません。
トイレの水面より高い位置につける。壁内、または壁外に出すなどの工夫がいるようですね。ただし、外壁内につけると断熱欠損になりそうですし、外に出す場合だと配管をつける必要があるっぽい。
今度工務店さんに聞いてみようかと思っていますが、おそらく後付けは難しいんじゃないかと思っています。
残念ながら、「ドルゴ通気弁」 このキーワードは、私が見た施主ブログにはなかったか見落としたかのようですね。
というわけで、このブログを読んで気になった方は
「トイレに通気弁ついてますか」
とHMに確認すると私のように「え、そんなんあるの?」とあとで慌てなくてもいいかと思います。
失敗しないためには、先人の知恵を借りる。
これ本当大事です。
■満足の優先順位
さて、先人の知恵を借りるといいましたが、これには副作用が一つあります。
素敵な家々を見ていると、自分もマネしたくなるんですね。
良く皆さんがハマられているのが、
・キッチン設備
・玄関の重厚感
・外壁タイル/漆喰などの外壁材
・照明
・フローリング/壁紙
写真で見ると、おしゃれに見えますからね。
気にしたことなかったけれど自分もぜひ取り入れたい! こうなるのも止む無しです。
「おしゃれ」とか
「格好いい」とか
「流行っている」
「皆つけている」
こういったプラスの面の満足を満たすコストは、残念ながら上限がありません。
上のクラスはそれこそ百万、千万と桁がいとも簡単に上がっていきます。
一方
思ったよりも〇〇だった。
大丈夫と思っていたけれどもやはり不便だった。
こういった不満は、後々地味に効いてきます。
プラスの面の満足は経年劣化が早く、アッという間に慣れるのに対して、マイナスは加算されて恨み節として積もっていく。そんなイメージです。
注文住宅を建てる時に多くの人は「減額調整」という楽しくない作業をすることになるかと思います。
仕分けで減らされていく憧れの〇〇。
悲しい作業ですね。
こういったときに、どうしても「欲しい」ものが優先され、多くの「マイナス面」のものが「我慢すればいい」と仕分けされちゃうように思うんです。
■満足・不満足を計算してみる
そこで提案です。
仕分ける前に、満足を金額に変換してみる作業をしてみようではありませんか。
仕分けられる項目が楽しい・憧れ・欲しいという「プラス」面。
不自由・我慢すればいい・気にしているのは家族の一人だけといった「マイナス」面。
並んだ仕分けにこの二つを書き込んでみます。
プラスと書かれた金額は初めの3年は満足するでしょうから、3で割ります。
マイナスと書かれる面は30年は引きずるので30で割ります。
次に行動経済学の面から考えると、失敗の損失は成功の2倍以上のダメージがあると考えれば、マイナスの金額は2.5くらいで割るのがいいかと思います。
実際に例で計算してみます。
仕分けリスト
1.食洗器 50万円(プラス面)
2.トリプルガラスで断熱 100万円(マイナス面)
このままだと、2.の断熱は100万円と高額だし、あんまり意味わからないし、とさくっと仕分けされそうな臭いがします。
計算1 プラスは3、マイナスは30で割る
食洗器は50÷3=16.7
断熱は100÷30=3.3
計算2 マイナスは2.5で割る
断熱は現在3.3なので3.3÷2.5=1.33
結論 プラスの食洗器は16.7万、マイナスの断熱は1.33万
減価償却のイメージで行くと、年間に払う「満足・不満解消コスト」は食洗器が16.7万円、断熱が1.33万円と食洗器のほうが割高で、仕分け候補としては上となります。
※この例はあくまでも参考にするためで、食洗器がいらないと言いたいわけではありませんので、誤解の無いようお願いします。
また、割る係数も便宜上決めた数字ですから、皆さんが納得いく数字を入れればいいかと。
何が言いたいかというと
楽しさは数年、不快は一生続くってことです。
脅かすわけではありませんが、新築ハイってどうしても楽しい、欲しい、そういった感情が前面に走りがちに思えるんですね。
ずっと欲しかった。いつかしたいと思っていた強い願いはともかく、少し前に人のブログを見て「いいじゃん」となったものって、実はそんなに大事な願いじゃないと思うんですね。
それよりも、自分たちが嫌だったことをしっかり話し合ったり、不自由なことを解消するほうが地味なんだけど、快適な生活が得られるんじゃないかと思うんです。
まあ、人によって考え方は違うので、この記事がどなたかの参考になれば幸いです。