【オット小話】 施主として考えたこと ⑨ 日射取得 計算
今回は、今までの計算によってできたグラフを並べていきます。
太陽の高度変化グラフです。赤い線が地上の境目となっています。
月によって、軌跡が違うのが見てとれます。
次に推測した取得エネルギーのグラフです。
4月~9月まで12時付近が下がっているのは、庇による日光遮断ができているということです。概ね800W/㎡にピークが来ているようですね。こちらのグラフは理論最大値であり、晴天で80%、曇りで20%、雨天で5%程度になると考えられます。詳しくは次回以降。
今回の計算は1.垂直方向の変化+2.水平方向の変化+3.太陽光のエネルギーの変化の3つを掛け合わせています。4.窓ガラスの遮蔽は計算に入れておりません。
窓ごとの取得エネルギーのグラフ
窓ごとの取得エネルギーのグラフです。
冬は南面からの日射が期待できそうです。
春秋はどの窓からも熱が入るので、天気のいい日はオーバーヒートしそうですね。
夏は朝の東の日差し、西日が暑いということがわかります。
どの季節もピーク時には700~800W/㎡の取得が見込めるようです。
窓ごとの取得エネルギー(1日当たり/1時間当たり)
最後に一日当たりと一時間当たりの取得熱量/㎡のグラフです。
1時間あたりのデータは太陽が出ている時間で割ったものであり、
24時間で割ったものではありませんのでご注意ください。
秋から冬場にかけて、南面から1㎡あたり3700~4500W/(1日)得られる、と理論上なっています。
30坪の家で外皮面積概算で300㎡、UA値0.5で気温差20度ならば150W*20度*24時間は72,000W。こちらが一日で外に逃げるエネルギー総量です。
取得エネルギーが4500W/㎡なら16㎡あればOK。
となると一間の掃き出し窓で3.6㎡、あと追加で1m四方の窓が2枚。
全然足りません。もっとつける必要があるのか。。。
窓の高さをすべて2mと仮にすれば、16㎡に必要なのは横8mです。
一階二階に横9マス分(910㎜)の窓をつければ、理論上は真冬の厳冬期でも、太陽熱で暖房がまかなえるということになります。
(んん、本当かなあ?)
窓単価5万円なら、16㎡は80万円。
さて。
このあたりの詳しい追及は、日を改めて。
さて、パッシブデザインのイメージは多少は伝わりましたでしょうか。
今回で理論値が一通り完成しました。次回は地域ごとの特性、そして家ごとの環境について書いていきたいと思います。